COE(カップ・オブ・エクセレンス)とは
豆知識
2026.06.17

こんにちは。
店頭やオンラインショップでシングルオリジンコーヒーを見ていると、ふと不思議な暗号のような文字が目に留まることはないでしょうか。
2025 COE#○○
今回はこの表記があるコーヒーがどういったものなのか、お話ししたいと思います。
【目次】
- COE(カップ・オブ・エクセレンス)って、どんなもの?
- コーヒー界に革命を起こした、COEの歴史
- COEの審査はどう行われる?
- 猿田彦珈琲とCOEの深い縁
- まとめ
COE(カップ・オブ・エクセレンス)って、どんなもの?

COE、これは略称で、スペシャルティコーヒーの品評会「カップ・オブ・エクセレンス(Cup of Excellence)」受賞コーヒーであることを表しています。
#の後に続く数字は順位で、#2…2位、#10…10位であることを表しています。
COEはコーヒー生産国ごとに年1回行われ(すべてのコーヒー生産国ではありません)、受賞することに大きな名誉のある、スペシャルティコーヒーでは最も歴史の長い品評会のひとつです。
COEの目的は大きく2つあります。
- 生産者の発見:厳正な味覚審査を通して素晴らしいコーヒーを作る生産者を発見すること。
- 利益の還元:受賞コーヒーをオークションによって直接的に売買することで利益を生産者に還元し、同時に生産者とバイヤーとのコネクションを作ることです。
コーヒー界に革命を起こした、COEの歴史
第1回のCOE開催はブラジルで、1999年のことでした。
COEはもともと、当時のコーヒー相場下落によるコーヒー生産者の困窮を、高品質コーヒー生産とサプライチェーン構築により防ぐ目的で始まった国連主導の「グルメコーヒー開発プロジェクト(1998年~2000年)」が前身です。
このプロジェクトによって作られた小ロットのコーヒーのテストマーケティングの場としてコーヒーのオークションプラットフォームができ、味覚審査での選抜 → オークションという形が確立されていきました。
グルメコーヒー開発プロジェクトの要点としては、それまでの「量」重視のものしかなかったビジネスに、コーヒーを飲むお客様目線のおいしさを重視する「質」のビジネスを持ち込むことでした。
実はこうした品評会で評価されるようになった産地には、伝統的なコーヒーの世界では評価されてこなかった産地も多くあります。
伝統的なコーヒーの世界では均質性が重視されていたため、他と違う品種や気候、プロセス等に由来する特徴的な風味のコーヒーは評価が高くありませんでした。
一方で、スペシャルティコーヒーの世界では特徴的な風味はポジティブに受け取られることが多く、その結果、COEは優れた生産者を発見するプロジェクトとして大きな役割を果たしました。
また初回のオークションの時点で一般市場価格の数倍の価格でコーヒーが落札されたことから開催国も増えていき、COE開催国の増加とともに「産地と直接取引する美味しいコーヒー」が広まっていきました。
さらに、COEプログラムを継続して行うことでコーヒーの品質に対していい循環が生まれ、年々品質向上していったことも見逃せません。
こうしてほんの数年間の間に、COEによってまるで革命が起きたかのように、コーヒーの世界が変わっていきました。
COEの審査はどう行われる?
COEの審査は、ブラインドのカッピングで行われます。
ブラインドとは、コーヒーの情報、つまり「どこの誰が、どうやって作ったものなのか」ということを伏せて行うことを意味しています。

カッピング審査の様子。
コーヒーエキスパートたちの一切の妥協のない評価によって、厳正に点数がつけられます。
審査は大きく分けて2段階。
- 開催国による審査:出品された数百ロットのコーヒーが、開催国のコーヒーエキスパートによるブラインド審査でふるいにかけられます(突破できるコーヒーは、わずか数十ロット)。
- 招待員による審査:そのコーヒーを、今度は消費国の招待審査員がふたたび同じようにブラインド審査します。
最終的に審査員全員の平均点が【88点以上】のものが「カップ・オブ・エクセレンス」の称号を受賞します。
猿田彦珈琲とCOEの深い縁
猿田彦珈琲が本格的にCOEのコーヒーに関わり始めたのは2019年から。
2019年のグアテマラCOEにおいて3ロットのコーヒーを落札したのですが、そのうちの1ロットは単独落札でした。
その後は2020年のエチオピアCOE優勝ロットの落札などを通して素晴らしいコーヒー生産者さんとの縁をつないできましたし、国際審査員として審査に関わったこともあります。
猿田彦珈琲とCOEとの関わりで起きたこととしては、これまでに合計6人の落札したコーヒーの生産者が、その後優勝を果たしたというものがあります。
■コスタリカ
生産者:Iván Daniel Gutierrez Ureña
(農園:Agua y Manto,La Esmeralda)
2020年 19位 落札 / 2021年 優勝🏆 / 2024年 4位⭐ / 2026年 5位⭐
■グアテマラ
生産者:Jose Roberto Monterroso Pineda
(農園:Rio Dorado,El Morito)
2020年 19位 落札 / 2022年 優勝🏆 / 2025年 2位⭐ / 2026年 2位&4位⭐
■ホンジュラス
生産者:Benjamin Paz Muñoz
(農園:La Salsa)
2021年 5位 落札 / 2022年 優勝🏆 / 2023年 5位⭐ / 2024年 優勝🏆 / 2025年 3位⭐ / 2026年 2位⭐
■コロンビア
生産者:Duberney Cifuentes Fajardo
(農園:Montreal)
2022年 7位 落札 / 2023年 優勝🏆
■エルサルバドル
生産者:Inversiones Santonano, S.A. De C.V.
(農園:La Esperanza)
2022年 7位 落札 / 2026年 優勝🏆
生産者:Henri Milton Morales Umaña
(農園:Los Morales)
2025年 2位 落札 / 2026年 優勝🏆
まさにスペシャルティコーヒーの品質向上の良い循環を表してくれている、素晴らしい出来事だと思います。
COEの27年の歴史の中でこういった出来事(継続して入賞するケース)は多々ありますが、優勝とまでなると狙ってできるわけではないので、非常に嬉しい気持ちになりますね。

2022年・2024年と2度のCOE優勝を誇る、ホンジュラスの Benjamin Paz(ベンハミン・パス)氏。
私たちがその素晴らしい味わいに惚れ込み、今も取引を続けている大切なパートナーのひとりです。
私たちが落札するコーヒーの選び方は純粋に「私たちがおいしいと思えるもの」「お客様に飲んでほしいなと思えるもの」を順位にかかわらず探すというものなのですが、その基準が図らずもこういった結果につながっていて、とてもありがたいことだなと感じています。
そして過去に落札したコーヒーの生産者のほとんどの方と、現在もコーヒーの取引関係を継続しています。
シングルオリジンコーヒーとして販売するコーヒーの中には他にもCOE落札を契機に関係が始まったコーヒーがありますので、コーヒーのバックグラウンドストーリーが書かれたコラムもぜひ読んでみてください。
➔ ハシエンダ・ラ・エスメラルダ|社内がザワつく、特別なコーヒー農園の秘密
➔ ウォッシュトプロセスとは|コーヒーの生産処理について ①
まとめ
スペシャルティコーヒーの普及とCOEプログラムには深い関わりがあります。
高品質なコーヒーを作るのには手間暇がかかりますが、本当にいい品質のものを作ることができると大きく報われるのがCOEの世界であり、スペシャルティコーヒーの世界です。
これからも猿田彦珈琲は素晴らしい品質のコーヒーを皆様にご紹介していきますので、引き続き楽しみにしていてくださいね!
Text:村澤 智之(猿田彦珈琲)




